ゼロから学ぶ。ギャンブル依存症について、特徴から治療法まで解説します【精神科医が一般の方向けに病気や治療を解説するCh】

00:00 今日のテーマ
01:26 依存症とは
02:31 特徴
07:58 治療
09:47 引き金欲求モデル

今日は「ギャンブル依存症」について解説しようと思います。
昨日の「アルコール依存症」の動画のホワイトボードの一部を変えたもので解説します。依存症は似ているので治療も応用が効きます。アルコール依存の治療をしながらギャンブル依存の勉強もすると、違った見え方ができるようになり治療がうまくいくようになったりもします。

アルコール、ギャンブル、買い物、性、自傷、摂食障害、ゲーム、これらの依存症は少しずつ違いますがやはり似ています。

今回はギャンブル依存症について解説しますが、僕は依存症の専門ではないので一般論としてしか喋れないですし、軽症の人しか診れません。その点は予めご了承ください。

<依存症とは>

前回のアルコール依存症の動画でもお伝えしましたが、誰にでも起こるものであり、進行性(どんどん悪化していく)であり、慢性的に続くものです。「ギャンブルしたい、パチンコしたい」という思いはなかなかなくなりません。

悪化していくと嘘をついてお金を取って行ってしまったり、衝動的、暴力的、無気力になったりします。ギャンブル廃人と言いますよね。「今日は集中力もないし、今打ったら絶対負ける」と分かっていても行ってしまいます。そして、やはり負けてしまって「もういい!全部なくなるまで使う!」となってしまいます。

<特徴>

・家族のギャンブル歴
親がギャンブルをしていた、子供の時から実はやっていたということもあります。親類の中でギャンブルに勝っている人がいたりもします。「パチンコで食ってます」みたいな人もいたりして、それで自分も勝てるのではないかとやめられなくなることもあります。

・虐待、発達障害→対人不安、コミュニケーション能力
虐待の問題、発達の問題がある人も多いです。そのために、対人不安がある、コミュニケーション能力が低い、自分の感情を言葉にしたり悩み事を打ち明けることが苦手な人が多いです。これは虐待や発達の問題が絡んでいなくても苦手な人が多いです。

・初期の大勝ち
最初に大勝ちをしていることも多いです。わけもわからずやったときに勝ってしまったのが間違いで、それが忘れられません。ビットコインや株もそうです。最初は負けた方が良いのです。

・誤った認知(確率、自分の借金、収支、利息)
確率がわかる人はまだいるとして、自分の借金の金額がいくらか把握していない人が多いです。収支もあやふやです。今月ギャンブルでいくら負けたかもあやふやだったりします。そこまで分かっていても
借金をした時の利息がわからない人も結構います。これらが全部わかっている人は依存症というほど負けてはいません。

誤った認知として数字の話だけではなく「ギャンブラーはカコイイ説」があります。特有の雰囲気、無頼漢に憧れてやっていることもあります。そういうことがカッコ良いと思うのは、虐待や発達の問題、大人不安などが絡んでいます。一人でいても孤独や不安を感じない、ギャンブルという純粋なものに向かっているのがカッコよく見えるのにそのような問題があります。発達障害の人は道を極める純粋さに憧れることも多いです。ですがそれは誤った認知です。

・刺激のなさ、そこだけの友情
日常生活が退屈、悪い友達だけは仲良くしてくれるといったこともあります。普段の友達付き合いは苦手だけれど、ギャンブルの世界では友達を作れるといった問題もあります。

・借金、自暴自棄
一番の問題はここです。「そういう御託はもういいんだ」と自暴自棄になっていることが多いです。家族から借金を繰り返してしまい嫌われる、そうかと思ったら母親や奥さんだけが共依存的に本人を庇ったりしと、ぐちゃっとしてしまいます。

以上がギャンブル依存の特徴かと思います。他にもいろいろあると思いますが、僕の臨床的な雑感です。

<治療>

・借金の整理、強制的こづかい制
治療法としては、まずは借金の整理です。どうやったら返せるのかを考え、強制的こづかい制にします。家からお金を盗むものだと思った上で、盗まれないように管理します。勝手にそうするとイライラするので、話し合いの上できちんと管理することが大事です。

1ヶ月分としてまとめて渡してしまうとすぐに使い切ってしまうので、1週間で5,000円、2日1,000円など細かく渡すようにします。

・自助団体(GA:ギャンブラーズ・アノニマス)
自助団体もあります。

スマホゲームのスロットやYouTubeでギャンブル系の動画を見るのもダメです。見ているとやっているのと同じになってしまいます。見続けていると依存症の深みに入ってしまいます。

<引き金欲求モデル>

ここでも引き金欲求モデルを使います。

・お金が手元にある時
・借金の額を見てうんざりした時
・HALT:お腹が空いた時、頭にきた時、一人の時、疲れた時
などどんなときにギャンブルに行きたくなるかを見つけます。

仕事があるとギャンブルに行かなくて済むんですというギャンブル依存症の人が多いです。休みの日が怖いと言ったりします。

■行動療法
・とにかくお金を持たない
・スマホゲームは入れない
・暇にならないようにする
などです。

■錨を作る
家族や仲間に見捨てられていると思うと家族や仲間が「錨」として機能しません。

家族も散々苦しめられたのはわかりますが、ギャンブル依存は本人のせいではなくて病気なんだと本人と病気を分けて考えてもらえたらと思います。もちろん分けられない部分もありますし、ゆくゆくはその責任を負わなければいけないということはありますが、まずは本当にぐちゃぐちゃの時は一度分けて整理することが大事です。

家族も本人に死んでほしいと思っているわけではありません。そういうと「いやいや借金さえ返してくれたら…」なんて言われることもありますが、本当にそう思っていたら一緒に治療には来ません。

以上、ギャンブル依存症を解説しました。

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共依存関係について解説します

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一般の方向けに、わかりやすく、精神科診療に関するアレコレを幅広く解説しています。動画における、精神分析や哲学用語の使用法はあくまで益田独自のものであり、一般的(専門的)な定義とは異っているところもあります。僕がもっとも説明しやすいとたまたま感じる言葉を選んだだけなので、あまり学術的にとらないでいただけると嬉しいです。

当院でカウンセリングを受けてみたいと思われた方はこちらをご参考ください

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これまでの動画や精神科に関することはマインドマップでまとめています
https://www.mindmeister.com/ja/1834232460/_

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【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3版

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